いなたくんへ
2012年12月にこのブログをスタートして、2年余りが経った。ブログの内容を見直して、少しだけやり方を変えることにしたので、ここに報告しておこうと思う。
今回大きく変えることにしたのは文体だ。これまでの「ですます」調を改め、今後は「である」調で書いていきたいと思う。実は、ブログを始めて少しした頃にも「である」への切り替えを悩んだ時期があった。当時すでに数本の記事を公開しており、それらの文体をすべて直すのはめんどくさい、という理由でこれまで「ですます」で来てしまった。
しかし、これ以上「ですます」で書いていくことに限界を感じて、今回思い切って「である」に変えることにした。どうにも「ですます」だと筆がのらないというか、窮屈な文章になっちゃうのよね。
これまでの「ですます」の記事はもう直すつもりはない(そんな時間もない)。ブログ内で両文体の記事が併存することになりとても恥ずかしいが、そこはご愛嬌ということで、「である」の記事が早くマジョリティになるようがんばりたいと思う。
窮屈、と書いたが、これまで記事を載せながら、結局誰に届けたくて文章にしているのかわからなくなることが多々あった。自分のためなのか、ある限られたセグメントの人々のためか、大衆なのか。例えば知財系の記事について言うと、知財の基礎知識を持つ人に向けたものなのか、素人が対象なのか。
本来このブログは、未来予測の観点で得た知見を蓄積するノートのような位置づけで、ノートを他人にシェアするくらいの気持ちでやりたかったが、「ですます」の弊害もあろうかブレにブレてしまっていた。
そこでこれからは、いなたくんという、私の友人に向けたレポートの形で記事を書いていくことにする。
いなたくんは私の友人である。中高で共に笑った友人であり、大学でどの研究室に入ろうかと相談し合った友人であり、あるいは仕事やプライベートにおける進捗を確認し合う友人である。あるいは1年前の、あるいは1年後の私かもしれない。
いなたくんは現実には存在しないが、私の頭の中にははっきりと姿が浮かぶ友人だ。本当のことを言うとまだ顔がよく見えないのだけど、これからはっきりとしてくるだろう。これからはいなたくんのために、日々得られた知見をレポートしていきたいと思う。
The write thing Project 365(2) Day 12 / Keith Williamson
ブログを初めて2年。この記事で88本目の更新となる。だいたい月に4本弱。
月間PVは16,000前後といったところで、記事100本に満たないブログにしてはまあ何とか、、ということにしておく。
当初の予定では、『100年予測』『2030年世界はこう変わる』『2050年の世界』のような年号の付いた予測本は片っ端から読み潰してまとめるはずだったけど、予想外に時間がかかって、まだ2割も読めていない。
- ウクライナを奪取したロシアは再び米国との冷戦に陥り、2020年に自壊する(『100年予測』書評1/4)(2014/3/3)
- 2030年を決定する10の変数、メガトレンドとゲームチェンジャー(『2030年世界はこう変わる』書評1/4)(2014/8/31)
- 2050年:人口は増えるが発展の難しいアフリカ、高い教育水準を活かしたいインド・中東(『2050年の世界』書評 1/6)(2013/9/7)
未来予測の観点ではむしろ、『ロボット兵士の戦争』『ビッグデータの正体』『クラウドからAIへ』のような、特定の技術やテーマを体系的に解説した本の方が、より深く未来の方向性を知ることができた気がする。
- 数字で見るロボット・無人兵器の普及状況(『ロボット兵士の戦争』書評 1/3)(2013/7/8)
- ビッグデータ解析による未来予測を、企業はすでに使い始めた(『ビッグデータの正体』書評1/3)(2014/1/26)
- 人工知能開発のアプローチ3つと、人工知能による「ひらめき」及び感情の獲得(『クラウド からAIへ』書評1/2)(2015/2/5)
また、本でなくとも、特定テクノロジーについてのニュース記事等に基づくまとめがアクセス的には非常に好評。がんばった記事なのでけっこう嬉しい。
- アメリカを中心に開発が進むレーザー兵器の種類(地上・空・対衛星)(2013/4/24)
- いま注目の「ウェアラブル」から少し先にある未来型デバイス(2013/7/30)
- ドローン本格普及前夜のまとめ(1/2)-無人飛行機を利用した未来のサービス(2014/4/27)
テクノロジーについては、今後10年程度の大きなトレンドがすでに顕在化されているので、その辺りを抑えつつ、今後もまとめていきたいと思う。
このブログを始めた理由の1つとして、クリス・アンダーソンの『MAKERS』に触発されたということがある。『MAKERS』で提唱される社会が実現した場合に、知財の取り扱いはどうなるか? その考察を大きな声で言いたくて、このブログをはじめた。にもかかわらず、くだんの記事は全くと言っていいほどアクセスされておらず、不本意。まあ書き慣れてない頃の記事だからか、何言いたいのかよくわからんちんというのは確かにまあ否めないんだけど。
- 『Makers』の世界が実現したとき、知的財産の世界では何が起きるか?(1/5) 関節侵害規定の見直し(2013/1/9)
- 『Makers』の世界が実現したとき、知的財産の世界では何が起こるか? (2/5) 大企業と標準化(2013/1/10)
- 『Makers』の世界が実現したとき、知的財産の世界では何が起こるか? (3/5) プラットフォームによる権利関係の整理(2013/1/10)
- 『Makers』の世界が実現したとき、知的財産の世界では何が起こるか? (4/5) 知財制度がいらなくなる(2013/1/11)
- 『Makers』の世界が実現したとき、知的財産の世界では何が起こるか?(5/5) 特許事務所の役割の変化(2013/1/11)
知財に関してはほかにも、都度考えたことを、備忘録のついでで載せてきた。拙い、妄想に属する内容のものもあれば、知財の判例がテクノロジーにもたらす影響を真面目に考察したものもある。今後も何か思いついたら、記事にまとめて晒していきたいと思う。
- パテント・トロールとハードウェア・ベンチャーにより、知的財産権の金融商品化が進む(2013/3/20)
- 遺伝子特許有効としたMyriad米国最高裁判決が、バイオ産業への投資を加速させる(2013/6/22)
- Google特許検索(通称Googleパテント)を通して、Googleが目論んでいること(2013/10/3)
- 米国IT企業による知財制度に関するロビー活動状況まとめ(2014/5/11)
- テスラ・モーターズはなぜ特許をオープン化できるのか、4つの仮説(2014/6/14)
ブログを書こうとすると、読んだ本をまとめたり、読み返したりが必要になり、さらには裏を取ったり、周辺情報を集めるための検索もする。このことを通して、各テーマに関する知見を掘り下げることができたと思う。
得られた知見は本業でも大いに役に立っており、これまでブログを続けてきたことに手応えを感じている。
また、2014年後半から始めた「テクノロジー系ニュースのまとめ」も、先端技術の定点観測として、将来の自分にとって価値のある企画になりそうだ。すごい手間かかるのに、全然アクセス伸びないんだけどね。でも続けていきたいと思う。
- 未来の世界に影響を与えるテクノロジー系ニュース7選(2014年7~9月)(2014/10/8)
- 未来の世界に影響を与えるテクノロジー系ニュース9選・第2回(2014年10~12月)(2014/12/29)
他にも色々温めている企画はあるけど、ちょっと時間がないなー。
まずは年号の付いた未来予測本を片づけるとともに、今後のメインストリームとなるテクノロジーについて基礎知識を身につけたい。
これら知識を組み合わせての未来予想は、きっと進歩性のあるものになると思うんだ。