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『素晴らしい新世界』著者の掲げる「新しい全体主義」実現のための4要件

いなたくんへ ディストピア小説と言えば、代表的なものとしてジョージ・オーウェルの『一九八四』(1949)が思い浮かぶ。特に、監視技術の発達した昨今では、すわ『一九八四』の実現であると引き合いに出される。 ところが、現代中国の監視...
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「植物の計算資源化」と「緑の東京」はSFか未来予測か(『コルヌトピア』書評)

いなたくんへ 早川書房主宰の新人賞「ハヤカワSFコンテスト」第5回の大賞作が発表されていたので読んでみた。第5回は樋口恭介著『構造素子』と津久井五月著『コルヌトピア』の2作品が受賞。このうち『構造素子』は前回に紹介した。 生命を超え...
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人工知能が感情・自我を獲得するためのステップ(『未来の二つの顔』ネタバレ書評)

いなたくんへ 誰も宣言しないけど、人工知能はもうチューリングテストをクリアしたという理解でよいのかな。ジョージア工科大学のアシスタント講師ジル・ワトソンは5カ月にわたり業務をこなしたけど、彼女の正体がIBM製の人工知能であることは最後...
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人工知能が文化をも管理し、発現させる未来(『ニルヤの島』ネタバレ書評)

いなたくんへ ジョン・フラムなる神様を初めて知った。南国の島国バヌアツで信仰され、毎年2月15日の「ジョン・フラムの日」には祭典と儀式が行われる。儀式とは例えば米軍の行進・訓練の再現だ。これはジョン・フラムの正体が第2次大戦時の米兵で...
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自己進化する探査機の見た人類の行く末(『みずは無間』ネタバレ書評)

いなたくんへ 透って理屈っぽいとこあるよね。どうしてわかってくれないのかな。 えー? なんでもいい。 やだ、遠すぎるよ。今日パンプスだし、歩けない。 ええー、ラーメン? 嫌じゃないけどちょっと……。気分じゃないっていうか……...
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人工知能によるヒトの馴化が穴居人の時代を終わらせる(『ユートロニカのこちら側』ネタバレ書評2/2)

いなたくんへ 「馴化(じゅんか)」という言葉がある。家畜化とも言われる。たとえば犬は、野生のオオカミが馴化され、人間と住めるように改良されたものだ。 ①生物が高地移動・季節変化などの環境の変化に数日から数週間かけて適応してい...
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テクノロジーの進歩が推定無罪の原則を覆す(『ユートロニカのこちら側』ネタバレ書評1/2)

いなたくんへ 京都府警が犯罪予測システムを導入する。過去の統計に基づき犯罪の起きやすい時間や場所を特定するというもので、いわゆるビッグデータの活用例の1つである。導入は2016年10月から。 犯罪予測システム 京都府警、全国初の導入...
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ネットと脳がつながる未来の「知る」ことの意味(『know』書評・ネタバレ)

いなたくんへ 脳のインターネット接続はSFの中の出来事じゃない。例えば他人の脳に直接メッセージを送ったり、離れた場所にいる他人の身体を遠隔操作したり、といった実験が成功している。 ネットを介して脳に直接メッセージを送る実験が成功(G...
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未来予測のためのSF小説

未来予測のためには、SF小説も読まなければ! 今回言いたいことはこの一言だけで、別におススメのSF小説を紹介するとかでは全然ないですすみません。理由は「経営学者のためのSF」で翻訳されている、ノア・スミス氏のブログポストの言及の通り。 ...
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