宇宙開発はいま何がアツいのか?(1/4) -小惑星と宇宙太陽光発電

1977年に打ち上げられたボイジャーが、35年飛び続けて、ようやく太陽系の終わりにさしかかろうとしています。


ボイジャー1号と2号の航路図
180億キロというちょっと想像しがたい距離も、35年という時間を持って測ると改めてその遠さを感じられます。こういう新しい発見がニュースされるたびにワクワクしてしまいますね。
こうした宇宙開発ですが、散発的に報道される成果だけ聞いてもイマイチ全体像が見えません。そこで、各機関が今いったい何を目指しているのかまとめてみました。


1.資源獲得では小惑星に注目、日本は宇宙太陽光発電でリードか

宇宙開発の目的でひとつ浮かぶのは「資源開発」。
私は
『Moonlight mile』ってマンガが好きなんですけど、こちらは月面からヘリウム3を採掘し、核融合施設を建ててエネルギー問題を解決しようというのが物語前半の趣旨となっています。開発の進捗が割りとリアルに書かれていて興味深いです。(最近連載が止まってるので、早く再開して欲しいです)

ただニュース調べてみると、月面開発の現実的なプランってあんまり聞かないんですよね。
NASAも2006年に一度月面基地の建設計画を発表しましたが、2010年にその目標を火星に変えると発表。月については凍結されたままになっています。

MOONLIGHT MILE 新装版 1 (ビッグ コミックス〔スペシャル〕)
個人的には、中盤登場するメカニックのモチーフが明らかにLEGOなのにも注目

注目されているのは小惑星
資源という観点で月のかわりに注目されているのが小惑星。

1つめの記事は小惑星離着陸訓練が主目的のようですが、資源利用ももちろん視野に入れている様子。2020年代の実現が目標とのこと。
小惑星探査計画も進められており、サンプルリターンを目的とした探査機を2016年に打ち上げるとのこと。2011年に正式採用されたこの計画は、日本のはやぶさにも触発を受けたそうです。

2つ目の記事ではプラチナの採掘が例に挙げられていますが、レアメタルを宇宙から持ち帰る技術が確立されれば、電機製品開発にも有利に働くかもしれません。精密機器に使われるレアメタルは中国に多くが埋蔵されていて、中国の輸出規制による値段のつりあげで各電機メーカーは(地味に)打撃を受けたのは記憶に新しいところ。

特に小惑星探査に民間企業が意欲的というのが好ましいと思います。
市場で利益を得られるだけのリターンを小惑星がもたらすならば、開発が盛んになって、探査・輸送コストもさらに下がって、と好循環が生まれそうですね。

ただ、小惑星に単身赴任はちょっとキツいです。


地球が見えるところまで小惑星を引っ張って来るなら、赴任もアリです

宇宙太陽光発電は日本がリード!

月や小惑星よりも身近になるのが、地球の衛星軌道上での太陽光発電。宇宙で太陽光発電をして、マイクロ波で電力を地上に送るというものです。
調べてみると、自称ではありますが日本がリードしているみたいですね。

あと三菱電機なんかも研究を続けている模様。

ただ、パネルや資材をどうやって打ち上げるのかとか、課題は多そう。民間の宇宙開発会社が盛り上がっているので、そうしたところに依頼するんでしょうか。なんとか発電できるとこまでこぎつけて、利益のでるサイクルを作って欲しいところです。

JAXAの計画によれば、2030年代に実現を目標とのこと。長期的な話なので全く信用できるものではありませんが、米国、ロシアに次いで中国も宇宙開発では存在感を増しているので、ぜひ日本ならではの技術を確立して欲しいです。

日本の建設会社もがんばっている(おまけ)
建設会社による遠大な構想も発表されていますが、どのくらい本気なんでしょうか。とりあえず宣伝のために大きい話ブチ上げよう、的なものでないことを祈りたいです。
けっこう期待してるので、裏切らないでいただきたいところ。。


宇宙エレベーター乗ってみたいです
 

続きの記事はこちらから。

 
小惑星探査機 はやぶさの大冒険 宇宙エレベーターの物理学
 

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