資源・軍事に並んで宇宙開発の目的となるのは研究。
宇宙でしかできない実験や、宇宙ならではの材料開発をすることで、地球上の製品開発・医療・最先端科学の探求にフィードバックできます。
国際宇宙ステーションでは日々様々な実験がされていますが、ここではもう少し長い目で、各国の火星への取り組みを見てみたいと思います。
火星と言えば日本も探査機を飛ばしてますし、米国のキュリオシティからもたくさんの映像が届いています。かつて水があったとされるこの星を調べることは、地球環境を知っていく上でも重要です。
まだ人が足を踏み入れていない処女地ということもあってか、各国とも目指すのは月よりも火星。火星となると予算も莫大になるためか、各国間で協力関係が築かれつつあるのが興味深いところです(日本は入れないのでしょうか)。
まずは米国ですが、スペースシャトルに代わる次世代ロケット『オリオン』は、当初予定されていた月面有人飛行計画から切り替え、その目標を火星に据えています。火星到達は2030年代半ばの予定。
次の記事によれば、オリオンに電力等を供給するサービスモジュールについては欧州が開発協力するそうです。
一方次の記事では、欧州主体の宇宙開発計画について紹介しています。
欧州は金融危機で苦しいところではありますが、「宇宙事業は経費ではなく投資」であるとして100億ユーロの予算を計上。ロシア連邦宇宙局をパートナーに選び、2016年・2018年の火星への探査機派遣を目指します。
ロシアと言えば、失敗しましたが火星への探査機を送ったり、宇宙飛行士を520日隔離しての模擬火星探査準備を行ったりと、火星行きについては意欲的。
まだ実現には数年待つ必要があるようですが、ぜひがんばって欲しいです。
また、国家機関だけでなく、ベンチャーも火星殖民の構想を打ち立てていました。記事によれば片道切符らしいのが気になりますが、開拓者精神旺盛な方々を募って、ぜひ実現して欲しいです。
火星と言えば度々SFで話題にのぼるテラフォーミング。まだまだ現実的になるとは思えませんが、将来に備えて着々と研究・構想は進んでいるようです。
- 「火星で生きられる微生物」を作成する研究(WIRED japan,2012/8/10)
- 「火星に8万人のコロニー」を構想(WIRED japan,2012/11/28)
- 火星の放射線で人は死なない:キュリオシティの調査結果(WIRED japan,2012/11/30)
SpaceX社CEOのイーロン・マスク氏によれば、1989年に5000億ドルと試算された火星有人飛行も、定期便化することで50万ドルにまで下げられるとのこと。そして8万人のキャパシティを持つコロニーの建設に必要な費用が360億ドル。
SpaseX社と言えば国際宇宙ステーションに貨物を届けた最初の民間企業です。軌道上への打ち上げで利益を出すスキームが確立すれば、この会社が火星を目指すことも決して不思議な話ではないでしょう。
そして火星の過酷な環境でも生きられる超微生物「Hell cell」も、倫理的な課題はまだあるようですが、火星の環境を人が生きられるものに変えてくれる可能性があるようです。
SFがSFではなくなる時代も、意外と早く訪れるかもしれません。
Google Earthで火星を見ていたら、偶然構造物らしきものが発見されたそうです。
なんなんでしょうね? 宇宙は謎が尽きなくておもしろいです。
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