今回は3次元ディスプレイについて書きたいと思います。
3次元と言っても3DTVのような立体視ではなくて、実際に空間に立体的な像を作るやつ。量産間近のものが発表されたとのことで、注目してみました。
DisplAirはロシアのベンチャー企業が開発したもので、今春量産予定。販売価格は15,000ドルとのことで、家庭に普及するにはまだ時間がかかりそうではあります。
2011年のものですが、こちらの記事でも動画をたくさん掲載しています。
霧を上向きに噴射し続けることでスクリーンを形成して、そこに画像を投影しています。CES2013では市販プロジェクタ(EPSON製)を使用していたようですが、ピコプロジェクタを使えばさらに小型化ができそうです。
タッチはKinectのような3次元センサーを利用する模様。
立体ディスプレイと言ってもあくまで平面像のようですが、いままで数多の立体ディスプレイが発表された中で初の量産というのは素晴らしいことだと思います。
立体化の観点では、霧のスクリーンを円柱形にするといった応用はすぐに効きそうです。
さて、霧への投影描画と聞くと、次の記事が思い浮かびます。
動画を見るとわかりますが、実際には雲を形成したわけではなくて、噴射した霧に対してうまくライティングをすることで、雲のように見せているようです。
見せ方次第でここまでキレイなアートになるんですね。(広い部屋さえあれば)こういうインテリア欲しいです。そして、流れてしまう雲をどう留めるかは大きな課題だと思いますが、「霧に投射」方式の立体ディスプレイとしても形にならないかなあと思う次第なのです。
こちらはおまけですが、雲つながりで。
自作レーザプロジェクタで雲に画を投射したもの。
空に広告表示ってけっこうおもしろいと思ったんですけど、特に海外では航空機への悪影響から問題視されているようです。
霧を使わずとも表示させる方法としては次のものがありました。
レーザの焦点で空気中の酸素・窒素を発光させる仕組みとのこと。これなら霧が流れてしまうことの心配はいらなくなります。
発表が2007年なので、その後どうなったのか気になりますが‥
空気や霧など表示媒体に気体を使うものが多いようですが、中には液体を使ったものも。
発想がユニークで面白いですよね。この場合の解像度って水滴の密度そのものになるんでしょうか。
空間に表示するものではありませんが、立体ディスプレイという点では次のようなものもありました。
3DTVがイマイチ流行らない理由はアプリケーションにある気がします。
ゲームなんかは臨場感が出ていいと思うんですけど、3D技術でなければ実現できないアプリケーションって、実はないですよね。もちろん3Dになれば迫力は出るし、2Dに比べて付加価値があるのはわかるんですけど、それだけというか。
立体ディスプレイについても気になるのはアプリケーション。今後どのような用途が生まれてくるかで、普及できるかどうかも決まるでしょう。
アプリケーションといえば、その種類によって立体ディスプレイの方式も変わりそうです。
家庭用ゲームなら安全性の観点から「霧×プロジェクタ」が現実的な気がします。一方デジタルサイネージなど、人の手の届かないところに置かれる展示用ディスプレイなら、レーザを使ったものでも問題ないかもしれません。
あと個人的には、水滴式もインテリアとして十分楽しめそう。水を流し続けるので加湿器としても役に立ちそうですね。どうでもいいですけど。