宇宙開発の歴史と言えば、米ソ冷戦に端を発する軍拡競争。資源開発以上に切実な目的と言えそうです。
ロボット利用やサイバー戦争など、未来における戦争のカタチはいくつかありますが、高々度も1つのジャンルになるでしょう。古くはスターウォーズ計画もあったし、弾道ミサイル発射とその迎撃、宇宙からの監視など、その利用範囲は多岐に渡ります。
(なお、米国民はデス・スター建造を政府に請願したが、却下された模様)
また、宇宙での資源開発が現実的なものになれば、防衛・監視すべき対象はそれらにも及ぶので、そのときに備えての開発も必要です。
宇宙開発でホットなのはとにかく中国だと思います。
中国は2003年に米露に次いで有人宇宙飛行を成功させ、独自の宇宙基地・天宮1号も持っています。
国際的には物議を醸すことが多いものの、着実に宇宙での成果を積み上げています。
- 中国の衛星破壊で米国は大ショック(SAFETY JAPAN,2007/3/2)
- 中国、衛星破壊実験化、高軌道上で初、米が警戒(産経新聞,2013/1/16)
- 中国版GPS、運用開始 アジアで、軍事利用視野(MSN産経ニュース,2012/12/27)
元々人民解放軍には第二砲兵部隊(通称「二砲」)と呼ばれる、陸海空軍とは独立した部隊があります。これは毛沢東の「両弾一星政策」(ミサイル・核・宇宙開発に注力するという政策)に基づくもので、伝統的に宇宙を重視しています。
中国は民主主義国家の米国や日本と違って、一党独裁の下で政策を決定できるので、予算もじゃぶじゃぶつぎ込めます。軍事はもとより経済政策という視点でも、中国の宇宙開発重視はブレていないので、スピードが速そう。
またその成果は中国国内には閉じることなく、外国も巻き込みつつあります。2012年の打ち上げ回数は米国に次いで2位で、すでにロシアを抜いているんですね。
名実ともに21世紀のライバルとなる中国を見て、米国に火がつかないはずがないのですが、最近は民間の宇宙開発企業ばかり取り沙汰されてますね。
NASAと言えばスペースシャトルでしたが既に全隻退役しており、現在はオリオンの開発に注力している様子。でもこれは火星探検をメイン目標で、イマイチ軍事臭がしません。
と思っていたら出たのが次のニュースです。
米空軍、3度目の X-37B 軌道試験機打ち上げに成功。一号機 OTV-1 を再利用
(Engadget Japanese,)
無人機飛ばしてたなんて知りませんでした。すでに打ち上げは3回目で、前回2011年の打ち上げでは機体は1年以上も宇宙空間に滞在していたとのことです。
大気圏外で極秘裏にどんな実験を進めているのか気になります。そもそも本当に無人なんでしょうか。こっそり米軍人が宇宙に飛んでたりしないんでしょうか。
また無人機と言えば、中東で絶賛殺戮中の無人爆撃機ドローンが思い出されますが、攻撃能力を持つ無人機を軌道上に滞留させることができれば、文字通り全地球が米国の射程に入ることになります。
目的は謎に包まれていますが、米国も軍事目的の開発をしっかり進めているようですね。