こんなニュースがありました。
- 日本人が作ったバーチャルアイドル「初音ミク」と握手できるシステムが話題! 海外の声「また日本がやっちまった」「日本人が生まれてきた意味がわかった」(ロケットニュース24,2013/10/2)
- 超ボカロキャラ握手会で初音ミクたちと握手してみた–ニコニコ超会議3(Cnet Japan,2014/4/27)
力や触覚を人に伝える力覚デバイスは、まだ普及はしていませんが、大きな可能性を秘めている技術です。例えば遠隔地の他人にスポーツ指導したり、現実には存在しない架空の物体に触れたり、コンテンツが色々考えられます。
力覚デバイスはデジタル化された力や触覚を入出力する装置ですから、情報技術の1つと言ってよいでしょう。情報技術の進歩に伴い、娯楽の種類がどんどん増えていきます。その行きつく先には何が待っているんでしょうか。
Summary Note
情報技術革命を構成する次の革新技術の予想
- 次の革新技術は、24時間という人間の可処分時間を拡張させる技術かも
情報技術の進歩が私たちの生活を変えたことの1つに、可処分時間の使い方があります。
音楽やTVの衰退が言及されることがあります。この原因として「人々が選べる娯楽の範囲の拡大」という答えがあり得そうです。
昔は、決められた時間に放送される限られたチャンネルの中からしか、観たいTV番組を選ぶことはできませんでした。昔は、プロのアーティストが作る曲の中からしか、気に入ったものを選ぶことはできませんでした。
本も新聞も映画もみんな、ある有限の中からしか選べませんでした。
コンテンツはあくまで配送されるものであって、自分から取りに行くものではありませんでした。
TV Shows We Used To Watch – Sunday 4th January 1970 / brizzle born and bred
こうした一方向的なコミュニケーションを変えたのが「ネットワーク」です。
いまはYoutubeなりブログなりを通して、かつてに比べれば無限に近い数のコンテンツ(素人が無料で作ったものも豊富に含まれる)を楽しむことができます。これはネットワークの双方向性が可能にした変化です。
推薦技術の影響も大きく、ユーザのニーズにマッチしたコンテンツへのアクセスがさらに簡単になっていますね。
提供されるコンテンツの爆発的な増加に対して、私たちは時間と場所を選ばず、コンテンツにアクセスできるようになりました。
こうしたコンテンツの洪水と、洪水を受け止める技術が生み出したのが、「可処分時間」という言葉です。
私たちは膨大な数のコンテンツに触れられるようになって、「24時間は有限だ」「だから効率よく使わないと必要な情報を処理しきれない」ことに気付いたわけです。
24時間という可処分時間を認識して、私たちはその上限の範囲で、ネットワークから得るコンテンツを取捨選択するようになりました。
しかし、技術の進歩によりコンテンツの数がこのまま増え続けても、それでも私たちは取捨選択を続けるのでしょうか。
世の中にある膨大な数のコンテンツに対して、私たちに与えられた24時間という時間はあまりに少なすぎると、不満に思う日が来るでしょう。
ここに、現在の情報技術の限界がありそうです。
どんなにコンテンツの数が増え、ユーザとコンテンツとのマッチングが完璧になり、情報量が圧縮されたとしても、私たちの持つ24時間という限界は変わりえないのです。
情報技術革命を構成する技術はたくさんありますが、特に革新的だった技術として「コンピュータ」と「ネットワーク」の2つが考えられます。
「コンピュータ」は情報を二値化して扱うことで、テキストから映像まであらゆる情報を演算可能にしました。
「ネットワーク」はコンピュータを無限につなぐことで、情報処理とその利用の可能性を別の次元に引き上げました。
この2つの技術でも解決できないのが「24時間」という人間の情報処理能力です。
この「24時間」が像法処理のボトルネックになるのであれば、情報技術革命を構成する次なる革新技術は、人間の24時間を拡張するような技術になることが考えられます。
具体的にそれがどのような技術になるかは、現在からは想像することもできません。
しかしボトルネックが人間なので、人間そのものを改変する技術になる可能性がありそうです。
革新的な技術も、それが普及するまでには数十年の時間が必要になるといわれます。
もしかしたら24時間を拡張する技術のタネも、すでにどこかで発明されているのかもしれません。
そんなことも頭の片隅におきつつ、今後も世の中の技術に目を向けていこうかと思います。