物語が描く未来

小説

人工知能によるヒトの馴化が穴居人の時代を終わらせる(『ユートロニカのこちら側』ネタバレ書評2/2)

いなたくんへ 「馴化(じゅんか)」という言葉がある。家畜化とも言われる。たとえば犬は、野生のオオカミが馴化され、人間と住めるように改良されたものだ。 ①生物が高地移動・季節変化などの環境の変化に数日から数週間かけて適応してい...
情報技術

テクノロジーの進歩が推定無罪の原則を覆す(『ユートロニカのこちら側』ネタバレ書評1/2)

いなたくんへ 京都府警が犯罪予測システムを導入する。過去の統計に基づき犯罪の起きやすい時間や場所を特定するというもので、いわゆるビッグデータの活用例の1つである。導入は2016年10月から。 犯罪予測システム 京都府警、全国初の導入...
映画

『地球の静止する日』(1951)のゴートは、世界の無政府状態を終わらせるのか

いなたくんへ 次のブログの「たった5分で国際関係論を習得する方法」という記事がおもしろい。ハーバード大学スティーブン・ウォルト教授が卒業生向けに書いたブログの翻訳で、「専門学科の学生が卒業から5年経っても覚えている基本概念を5分で読め...
映画

『メトロポリス』から89年、マリアはまだ現れない

いなたくんへ 米国の都市メンフィスでは、ビッグデータ解析により犯罪の起こりやすい時間と場所を特定し、警官を重点配置することで、犯罪発生率を1/4に抑えたという。これは一種の未来予測で、同様の例ではAmazonが、ユーザが商品を購入する...
小説

ネットと脳がつながる未来の「知る」ことの意味(『know』書評・ネタバレ)

いなたくんへ 脳のインターネット接続はSFの中の出来事じゃない。例えば他人の脳に直接メッセージを送ったり、離れた場所にいる他人の身体を遠隔操作したり、といった実験が成功している。 ネットを介して脳に直接メッセージを送る実験が成功(G...
映画

映画『チャッピー』は人工知能ではなくコネクトームを描いた英雄神話(ネタバレあり)

いなたくんへ てっきり人工知能の話と思って観たら、本作のテーマは違ったようだ。映画『チャッピー』(2015)は「人工知能の成長」を超えて、コネクトームにまで言及した作品だった。以下に感想を述べたい。 評価を先に言うと、SFとして...
テクノロジーの未来

2015年に実現する『バック・トゥ・ザ・フューチャーⅡ』のテクノロジー8つの、現在の進捗(実現済み、あるいは間もなく完成)

2015年10月21日まであと10ヶ月あまりになりました。今年の10月21日と言えば、デロリアンを改造したタイムマシンで、Dr.ブラウンがカリフォルニア州ヒルバレーに現れる日付です。マーティ・マクフライ・Jrが犯す犯罪を未然に防ぐ目的で、J...
小説

未来予測のためのSF小説

未来予測のためには、SF小説も読まなければ! 今回言いたいことはこの一言だけで、別におススメのSF小説を紹介するとかでは全然ないですすみません。理由は「経営学者のためのSF」で翻訳されている、ノア・スミス氏のブログポストの言及の通り。 ...
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